英雄王の友
その現象が始まった刻を確定する事は、おそらく誰にも出来はしない事であったろう。
だが、その現象に気がついた者達は、その現象を受け入れ行動へとその身を移していった。
神殿娼婦
1
「如何に我の半身の為といえ、まったく愚昧なる行為としか言えぬな」
世界の全てが我の為に存在し、世界の全ては我を満たす為だけに存在すると豪語する事を憚らない彼……黄金の英雄王たるギルガメッシュは、およそ普段の彼からは考えられない言葉をその口より吐き出し、担ぎ上げていたモノを彼に相応しい豪奢なベッドの上へと放り出す。
ドサリッ!と言う感じで、乱暴にベッドの上へと放り出されのは、ライダーのサーヴァントであるメデューサであった。
遥かな神話の世界に置いては、蛇の髪を持つ異形の怪物として、英雄に屠られる運命を持つ彼女であったが、ライダーのサーヴァントとして現界へと召還された姿は、美しい女性の姿としてであった。
女性としては比較的に大柄な体躯だが、身に着けている衣服の上からでも、その肉体は女性として一つの完成された域に達している事を、流れるように長くしなやかな美髪と共に、その姿を見る者に理解させるのに充分と言えた。
ただ、彼女を連れてきた英雄王ことギルガメッシュは、そんな彼女の姿に一瞥をくれただけで、ベッドの傍らから離れると「王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)」を開放する。
様々な宝物が満ち溢れる「王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)」の内部、その内部に異形の存在があった。
ギルガメッシュが、一番信頼する宝具である天の鎖(エルキドゥ)によって全身を戒められた人間、いや正確に言えば人の姿に似たシルエットを持つ獣……獣人が、「王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)」の内部に存在していた。
「…………」
その異形の獣人に向け、喜怒哀楽……それら全ての感情を内に潜めた。恐らく誰にも見せた事の無い表情を浮かべながら、ギルガメッシュは万感の想いを込めた言葉を言う。
「友よ!」
そして「王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)」より獣人を放出し、戒めている天の鎖(エルキドゥ)を解き放ち、英雄王はその場から素早く立ち去った。
後には、意識を失ったままベッドの上に横たわるメデューサと、戒めから解放された獣人が残される事となる。
2
古代バビロンの神話に、この様な一説がある。
『傲慢なる王ギルガメッシュに神罰を下すために粘土より創られし獣人エンキドゥ……六夜七日の間、神殿娼婦と交わり人となり、ギルガメシュと力比べを行い、後に唯一にして無二の友となり、様々な冒険を繰り広げるが、友であるギルガメッシュの代わりに死を受ける事となる……』
偶然と言うよりは、何かに導かれるが如く出向いた先に、友であるエンキドゥが立っていた。
何故に死んだ筈の友が、現界し現世に受肉をしたのか……それを知ろうとする気は、最初から持ち合わせてはいない、ただ我の生涯に置いて唯一にして無二の友と、再び出会う事が出来た事に喜悦を感じるのみと言えた。
ただ問題がまるで無かったわけではない、現界し現世に受肉したエンキドゥの肉体は、神によって我に神罰を下すために粘土より創られた獣人の肉体であり、我と友になった人のエンキドゥの肉体ではなかったのだ。
当然の如く、我に神罰を下さんと闘いを挑んでくるエンキドゥであった。
如何に我が友と言葉をかけた所で、いまだ人では無く獣人であるエンキドゥに言葉が通じる筈も無く、かといって友を我手にかける事が出来る筈も無く、苦心惨憺の末に天の鎖(エルキドゥ)にて、その身を戒めることに性交し、ようやくに「王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)」の内部へと収納するのが限界であった。
何時までも「王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)」の内部に閉じ込めて置く訳にも行かず、されど戒めを解けば友ではなく、神罰を下す相手として我に闘いを挑んでくるのは明白であり、どうしたものかと考えた末に思い出したのは、以前と同様にエンキドゥに対して、六夜七日の間、神殿娼婦と交わらせ続け人にさせると言う方法であった。
友を人にすべく方法を思い出したとすれば、残るは実行あるのみだが……ここで重大な問題に我は気がつく、この時代には神殿娼婦たるシャムハトが存在していないと言う事に!
神官としての神聖と娼婦としての技術、そして何よりも六夜七日の間、獣人たるエンキドゥが夢中で交わり続けられる体力と美貌、それらの全てを兼ね揃えた相手など、古代バビロンに置いてすら神殿娼婦たるシャムハトしか居なかった事を考えれば、この現世に置いては代わりの者を探し出す事は不可能と言えるだろう。
せっかくの妙案……だが我は諦めなかった。
そして我は思い至る。ちょうど良い雑種が居るでは無いかと、神殿娼婦としての特性と六夜七日の交わりを続けられるだけの体力と美貌を持つ雑種の存在を、メデューサと言う名のサ−ヴァントの存在を!
如何にサーヴァントと言えども、雑種である事に変わりは無い、不意打ちと言う事もあったが、赤子の手を捻るよりも容易く我は、メデューサを捕縛しその肉体をエンキドゥの前へ神殿娼婦として差し出す事に成功した。
3
天の鎖(エルキドゥ)より解き放たれた獣人エンキドゥがまずするべき事は、神より下された使命に従い、自分を戒めていた忌々しい鎖の持主である傲慢なる王、ギルガメッシュを探し出し、それを打ち倒す事であった。
だが、解き放たれ場でギルガメッシュを探し打ち倒すべく周囲を見回した時、その視線の先にギルガメッシュではなく、一人の美しき乙女の姿を見出す。
豪奢なベッドの上に横たわる美しき乙女の姿は、エンキドゥが神より下された使命を忘れさせるのに充分である。
エンキドゥが、いまだベッドの上で意識を失ったままとなっているメデューサに近寄り、その身体の匂いを嗅ぐ……
微かな汗の臭いが鼻腔を擽る様に刺激し、その臭いだけで股間を熱く起たせ、その先端部より汁を滲ませ始める。
獣の本能……それに導かれるようにエンキドゥは、メデューサが着ている服へと手をかけ、本能の赴くままに服を引裂き、その隠されている裸体を我が物にしようと欲望を滾らせながら、メデューサの豊満な肉体を露出させて行く
「うっ……」
乱暴に服を引裂かれて行くメデューサが、この場所へと連れて来られて初めて小さな呻き声を漏らす。
ギルガメッシュからの不意打ちを喰らい、一瞬で意識を飛ばしてしまったメデューサであったが、服を引き裂かれて行く刺激によって、ようやくに意識を取り戻し始めた……と言う所であろうか?
だが全てが遅すぎた言える状態とであった。
すでに着ていた衣服の全ては乱暴に引き剥がされ、下に穿いていたGパンも力任せに引き千切られ、部屋の隅へと投げ捨てられている。
「何が……あうっ!」
覚醒し出した意識が、乳房へと押し当てられたエンキドゥの掌によって、乳房を捻じ切られるような痛みと共に完全に覚醒し、呻き声となって口から漏れだす。
痛みによる覚醒、そして覚醒した意識の先には、自分の上に覆い被さり乳房を鷲掴みにしている、獣としか形容の仕様が無い異形の姿
「くっ!」
自分の上へと覆い被さっている異形の獣を、強引に蹴り飛ばし引き剥がそうとしたメデューサであったが、その動きが凍りついた様に途中で止まり、全身をわなわなと震えだせはじめる。
「ひぃっ!そんな……あぁぁ……」
メデューサが横たわり、エンキドゥが覆い被さっているベッド、そのベッドが設置されている部屋の四方の壁は言うに及ばず、天井を含めて床に至るまでが、鏡にってコーティングされており、ベッドの中で半裸にされエンキドゥに蹂躙されているメデューサの姿を写していた。
ギリシア神話におけるメデューサの最後は、英雄ペルセウスが鏡のように磨き抜いた盾を見ながら、曲がった刀で眠っているメドゥーサの首を掻き切った……とある。
はたして、それが事実であるかは不明だが、メデューサにとって鏡と言う存在は、間違う事の無い弱点の一つであり、その魔力を……言うならば、サーヴントとしての能力を封じる効果があると言えた。
その事実を知らぬ筈が無いギルガメッシュである。エンキドゥと六夜七日交わらせ続ける事を目的とした場合、事前にその様な部屋を造り上げ、その場所にメデューサを閉じ込めたのは当然の処置と言えたであろう。
「ああぁぁ……いや、こんなの……」
力を封じられ、己が獣によって蹂躙されて行く姿を、部屋中に張り巡らされている鏡によって、自分に見せ付けられて行く……何が自分のみに起こっているのかも理解できぬまま、メデューサは獣人であるエンキドゥに犯されて行く、自らが望んだ事も無い神殿娼婦の役割を与えらながら……
エンキドゥとメデューサの交わりは、人と人の交わりでは無く、言うならば獣と人の交わりと言えた。
「あひぃ!」
力を封じられ、ただの女と化したメデューサ……もしも相手が獣人エンキドゥでなかったら、如何に力を封じられているとは言え、何らかの手段によって逃げ出す事も可能であったかも知れない、だが獣人エンキドゥはメデューサを逃す事無く、その肉を滾る欲望のままに蹂躙し犯し尽くして行った。
「それは、だめぇ!」
引裂かれた衣服、ブラジャー、Gパン……そして最後まで残っていたショーツが、引裂かれながら剥ぎ取られ、何片かの布切れと変わり果て散らばる。
何とかショーツを剥ぎ取られるのを防ごうとした抗いも、何の意味も為さずに股間を剥き出しにさせられ、その頭髪同様に美しく生えそろい、独特の柔らかさを秘めた場所を曝け出す事となる。
「あうっ! いたぁいぃぃ……」
押し潰されるように揉まれ続ける乳房、仰向けになっても崩れる事無く、その素晴らしい張りと弾力によって美しい形を保っていた乳房が、エンキドゥの節くれ立ち獣毛が密生した掌により握り潰され、ぶるぶると震える様に歪みながら蹂躙される。
「あうっ!」
握り潰され歪む乳房
「いひぃぃ!」
指と指の間に挟みこまれた乳首が、掌の動きによって引っ張られ、引き伸ばされ嬲られ続けて行く、そして引き伸ばされた乳首にエンキドゥは歯を立てて噛む。
「痛ぅ!いたいぃ、噛まないで、痛いのは、いやぁぁ……」
広く豪奢なベッドの上、エンキドゥの御世辞にも愛撫とは呼べない強引な交わりを強制され続けるメデューサ、その肉を貪られる様な行為に対して、呻き声と哀願の声、そして抗いの悲鳴を出し続けながら、その身を強引な責めから逃れさせようとするが、エンキドゥはそれを許さずに、メデューサの肉体を貪り続ける。
「あっ!ああぁぁ、あぐぅっ!」
獣の交わり……頭をベッドへと押さえつけながら、逆に尻を持ち上げるように抱え上げ、獣の体勢で背後からメデューサの股間を一気に貫くべく、大きく反り返った男根を宛がうエンキドゥ……
「ひぃ!やめて、まだ濡れていないの、待って!せめて濡らしてから!」
乱暴な乳房への責めと肉体を貪られるだけの行為、それは嫌悪のみをメデューサに与え、剥き出しにされたままの股間部を濡らすという事は無く、いまだに乾いたままの股間は、男根を受容れる事が出来る状態ではなかった。過去に置いて何度も男性と交わった経験のあるメデューサは、受容れるべ体勢が充分に整っていなかった時の交わりを、何度か経験していた。
それは痛みのみを与える、拷問にも似た苦痛の行為……犯されると言う屈辱の行為から逃れる術が無いのなら、せめて苦痛からだけでも逃れたい、メデューサがそう考え哀願の叫びを出したのも仕方の無い事と言えた。
だがエンキドゥは、メデューサの言葉を無視して……と言うよりは、その言葉の意味を理解する事無く、欲望のままに男根を、乾いたままの股間へと強引に捻じ込んだ。
「あがぁっ! ひぎぃぃぃ――っ!」
乾いたままの股間を、エンキドゥの男根によって蹂躙された瞬間、メデューサは息を呑み、次の瞬間に悲鳴と化して一気に吐き出し、捻じ込まれた男根から逃げ出そうと足掻き、ベッドのシーツに指を食い込ませる。だが尻を抱えながら突き込んだ男根を抉るように捻じ込ませ、快感を貪り続けるエンキドゥの腕から逃れる術も無く、ただ呻くような声を絞り出しながら足掻く続ける。
「あっうぅぅ……いたいぃ! ああっぁぁ……いやぁぁ……」
激しく腰を押し付け、メデューサの身体を抱え込む様にしながら犯し続けるエンキドゥ、強引な挿入によって傷付き裂けた陰部からの出血、そしてようやくに染み出し始めた分泌液により、その動きは徐々にスムーズに、そしていっそう激しくなって行く
「ひぅ!はぐっ!あはぁひぃぃあっ!」
その激しい動きに翻弄されながらも、責めに身体を合わせて行くメデューサ……快感を感じてと言う訳ではなく、苦痛から逃れる術としてであった。
「ぐっ!んっんぅぅああぁっ!」
柔らかな尻へと押し付けられるエンキドゥの下半身、そして胎内の一番奥深くへと挿入され続ける男根、やがて無言のままメデューサを犯し続けていたエンキドゥが、初めて低い唸る様な声を漏らしだし、それが何を意味するのかを、犯され続けているメデューサは理解する。
「うぐぅ……いやぁ、やだぁぁ……ああぁぁ……」
自分の肉体へと吐き出される男の精、その耐え難い屈辱の瞬間が、間近に迫ってくる事を知る。
自分の胎内……その一番奥深くの場所に存在する異物の感触、それがいっそう膨らみ蠢き続けた末に、熱い迸りを吐き出すの感じ取った。
「あっ!ああぁぁ……うぐぅぅ……」
大量に注がれながら、それが胎内へと染み込んで行く感覚、そのおぞましい感覚にメデューサは、屈辱に身体を震わせ耐え続けるが、引き抜かれる事無く挿入されたままとなっている異物が、再び胎内で太く……そして堅くなって行くのを知り、我知らずに叫ぶ!
「もうやめて!一回出したんだから、もう満足したのでしょう……だから御願い、もうやめて、あうっ!」
メデューサの叫びは、再度の射精によって中断される。そして引き抜かれる事無く、三度目の射精をする為に、挿入されたままとなっている異物の存在を胎内に感じる。
メデューサはまだ知らない、これから六夜七日の間、自分がこの獣に犯され続ける事になるという事実を、だから三度目の射精を受け止めた時に、再び哀願を繰り返し言う。
「おねがい、もうやめて……おねがい……」
無論の事、エンキドゥの責めは止む事は無く、更なる激しさと執拗さを見せながら、メデューサの肉体を貪り続けていく……これより六夜七日の間……
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